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COLUMN紙の種類は驚くほど多彩 印刷紙について用途別に解説

2023.09.27

印刷に適した紙の種類はどれなのか悩んでいる方へ。
紙の種類は細かく見ると、50種類以上もの選択肢があります。
印刷する際は、紙の選び方が出来栄えに大きく影響するといってもよいでしょう。

そこで本記事では、印刷用紙の5つの種類と特徴を解説します。
また、用途に適した紙の選び方も紹介します。
最後までご覧いただき、印刷物の精度を高めるためのヒントを得てください。

紙の種類は驚くほど多彩 印刷紙について用途別に解説

紙の種類は和紙・洋紙・板紙など50種類以上

紙には和紙や洋紙・板紙など使用目的に応じて50以上の種類があります。
主なものを以下の表にまとめました。

紙の種類

使用用途

特徴

板紙

段ボール、お菓子の箱など

・丈夫なつくりで耐久性に優れている

和紙

工芸品、障子、襖、和傘など

・手作りのため生産量は少ないが長く保存できる

・印刷には適さない

洋紙

印刷物、包装、ティッシュペーパーなど

・印刷に適しており安価

印刷用途では洋紙がメインで使われています。
インクが乗りやすく安価なため、活版印刷が盛んになった明治時代から使用量が増加しています。

印刷用紙の5つの種類と特徴

印刷用紙は以下の5種類に大別されます。

・非塗工紙
・微塗工紙
・塗工紙
・特殊紙
・情報用紙

印刷用紙は使用目的が多岐にわたるので、多くの種類が存在します。

1.非塗工紙

非塗工紙は、木材パルプの繊維がそのまま表面に出ています。
種類は次の3つに分かれます。

名称

特徴

下質紙

・化学パルプ含有率40%未満

・雑誌の本文用紙に適している

中質紙

・化学パルプ含有率40%~90%

・雑誌・教科書・電話帳などの本文用紙に適している

上質紙

・化学パルプ含有率100%

・商業用のハイクオリティな印刷物に適している

非塗工紙の表面は加工されていないため、光沢が少ない仕上がりです。
文字数の多い雑誌や冊子に向いています。

2.微塗工紙

マットコート紙は以下の2種類に分かれます。

名称

特徴

ダル系

・インクが乗ると光沢感・グロス感が出る

マット系

・ダル系よりグロス感が抑えられている

微塗工紙は、非塗工紙の上質紙や中質紙に、塗料を薄くコーティングしたものです。
塗料の塗布量は両面で12g/㎡以下のものです。
マット系の紙は、ダル系に比べて表面がツルツルしている特徴があります。

3.塗工紙

塗工紙は以下の3種類に分かれます。

名称

特徴

アート紙

・表面に使われる塗料が多く光沢が強い

・写真が多い印刷物に適している

コート紙

・塗量が少なく光沢は控えめ

・店のチラシやメニューなどに適している

軽量コート紙

・塗料が最も少なく平滑性が低い

・チラシや雑誌の本文用紙として使われている

塗工紙とは、塗料でコーティングされた印刷用紙の総称です。
同じ塗工紙でも、塗料の使用量はまちまちです。

4.特殊紙

特別紙は、非塗工紙、微塗工紙、塗工紙に分類されない用紙を指します。
代表的なものを5選紹介します。

名称

特徴

マーメイド紙

・凹凸感のある紙

シープスキン紙

・ザラザラした感触のある紙

グラシン紙

・中が透けて見えるような薄めの紙

キャストコート紙

・ほかの紙に比べてツヤがある紙

ユポ紙

・屋外に持ち運べる耐久性のある紙

使用する目的により、適切な紙を選びましょう。

5.情報用紙

情報用紙は、機械での処理を前提にした印刷用紙です。

名称

特徴

複写伝票・ノーカーボン紙

・筆圧や印字厚で下の紙に文字を転写する

フォーム紙

・機械に通して印刷や折り加工するため、摩擦に強い

感熱紙(レシートなど)

・熱に反応する薬剤が塗布され、機械に通して印字する

情報用紙は、検針票や伝票、レシートなど使用目的がはっきりしています。

用途別に適切な紙の種類を選ぶ方法

使用する目的に応じた紙の選び方を紹介します。
代表的な例としては、以下の4点があります。

・チラシやメニュー表
・カタログやパンフレット・冊子
・ポスター
・名刺

それぞれ見ていきましょう。

チラシやメニュー表

チラシやメニュー表に適した紙は、以下の2種類です。

・コート紙(光沢紙)
・マット紙

コート紙は、発色と光沢感に優れています。
ただ、筆記具での書き込みやすさはありません。
マット紙は光沢を抑えており、少しくすんだ色合いになります。
イラスト入りのチラシや、会社案内などに使うとよいでしょう。

カタログやパンフレット・冊子

カタログやパンフレットに適した紙は以下の3種類です。

・スタンダード光沢紙
・半光沢紙
・コート紙

カタログやパンフレット・冊子の場合、保存期間により選ぶ基準が変わります。
長期保存が必要であれば、厚みがあり耐久性に優れた紙を選びましょう。
写真の場合はマットコート紙、文章であれば上質紙で対応できるでしょう。

ポスター

ポスターに適した紙は以下の3つです。

・アート紙
・コート紙
・ユポ紙

ポスターは写真のボリュームにより選ぶ紙の種類が変わります。
写真をキレイに見せたいのであればアート紙やコート紙が適しています。
屋外でキレイに見せたい場合は、特殊紙のユポ紙などの耐久性に優れた紙を使用するのがおすすめです。

名刺

ビジネス用の名刺作成に人気の紙は以下の3種類です。

・マットコート紙
・上質紙
・コート紙

写真をキレイに印刷するにはフォト印画紙やフォト光沢紙を使用するのもよいでしょう。

まとめ

紙には、和紙、洋紙、板紙など、多くの種類があります。
それぞれ、厚さや加工のしやすさなど個性があり、目的により何を選ぶかが重要です。

今回の記事では、印刷で使う紙を中心に解説しました。
印刷の場合、写真がメインなのか、活字だけなのかで紙の選び方が変わります。
長期間保存する目的であれば、紙を厚めにしておくなどの対応も必要です。
これから印刷物を作成したいと考えている方は、紙の選び方の参考にしてください。

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