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COLUMN紙リサイクルマークに関する詳細解説 表示義務と正しいゴミ分別方法

2023.08.29

紙リサイクルマークは、紙製品が再生紙を使用していることを示すマークです。
しかし、マークがあるからといって、すべてリサイクルできるわけではありません。

自治体によって表示義務や回収ルールが異なります。
また、事業者側も表示義務の対象や除外条件を把握する必要があるでしょう。

そこで今回は、紙リサイクルマークの種類や意味、表示義務や回収ルールを解説します。
循環型社会の実現に向けて、紙リサイクルマークを正しく理解しましょう。

紙リサイクルマークに関する詳細解説 表示義務と正しいゴミ分別方法

紙リサイクルマーク|3つの種類と意味

紙リサイクルマークとは、紙でできた容器包装、包み紙とわかるように付けられたマークです。

紙製容器の包装を表すマークには、紙リサイクルマークのほか、段ボールマークと紙パックマークがあります。
以下の表はそれぞれに該当する容器包装の分類です。

マーク名称

該当品目

回収方法

紙リサイクルマーク

紙製容器包装全般(段ボール及び飲料・酒類用紙パックでアルミ不使用のものを除く)

自治体の回収日に紙リサイクルゴミとして回収される(禁忌品あり)

段ボールマーク

段ボール製の容器

段ボールとして回収される

紙パックマーク

飲料・酒類用紙パックのうち、アルミ不使用のもの

紙パックとして回収される


ゴミの分別方法は自治体によって異なるので確認が必要です。

紙リサイクルマークのゴミを正しく分別するコツ

紙リサイクルマークが付いている場合でも、回収されない場合もあります。
トラブルを防ぐためにも、以下の2つを押さえておきましょう。

・紙ゴミとして出せない禁忌品を理解する
・自治体によって異なるゴミ分別方法を理解する

それでは、紙ゴミの正しい分別について解説します。

紙ゴミとして出せない禁忌品を理解する

紙リサイクルマークが表示されていても、紙ゴミとして出せない場合もあります。
代表的な禁忌品を以下にまとめました。

・水にぬれた紙
・油のついた紙
・臭いや汚れのある紙
・レシートなどの感熱紙
・表面がビニール加工された紙
・圧着ハガキ
・緩衝材封筒などの複合材

上記の紙ゴミが資源ゴミとして回収されると、リサイクル工場の機械が故障する可能性があります。
リサイクル工場の設備はそれぞれ異なるため、詳細は自治体へ確認しましょう。

自治体によって異なるゴミ分別方法を理解する

ゴミの分別方法は、自治体ごとにルールが異なります。
なぜなら、回収したゴミの処理施設の設備が一律ではないからです。

横浜市では紙リサイクルマークでも、アルミ貼りの紙パックやカップめんの紙製容器などは「燃やすごみ」の扱いです。

また、名古屋市では紙リサイクルマークのついたゴミ以外でも、紙ゴミとして出せるケースがあります。
転居の多い方にとっては大変ですが、地域のルールは遵守しましょう。

紙リサイクルマークの表示義務と法律・規制

紙リサイクルマークの表示には「資源有効利用促進法」に基づいた取り決めがあります。
一方で、紙リサイクルマークの表示は必須ではありません。

以下では、紙リサイクルマークの表示規定と、表示しなくてもよいケースを解説します。

紙リサイクルマークの表示位置・サイズ

紙リサイクルマークの基本的な仕様は以下の通りです。

・H:高さ
・L:短外径 LはHの7/8
・W:長外径 WはHの1.1倍
・a:楕円の切れ目の幅(Hの7/100以内)
・楕円の傾き:45°

紙リサイクルマークは、容器包装の表面に1箇所以上表示する必要があります。

また、印刷・ラベル貼りの場合と、刻印・エンボス加工で上下のサイズが異なる点も知っておきましょう。
違いを表にまとめました。

表示方法

識別マークの上下サイズ

印刷

6mm以上

ラベル貼り

6mm以上

刻印

8mm以上

エンボス加工

8mm以上

上記遵守のうえ鮮明で識別できるなら、色やフォント・線の幅等のデザインは自由です。

紙リサイクルマークの表示義務

紙リサイクルマークは、2001年4月の「資源有効利用促進法の改正」に伴い表示義務があります。
表示義務は、家庭から排出される紙製容器包装だけではありません。
容器の製造事業者や製造を発注する事業者、輸入販売事業者にもあります。

複数の素材による混合材の場合は、比重の大きい素材のマークを表示します。
例えば、紙60%にポリエチレン40%なら紙リサイクルマークです。
紙が使用されている割合に注意しましょう。

紙リサイクルマークを表示しなくてよいケース

紙リサイクルマークを表示しなくてよいケースは以下の通りです。

・無地の紙
・単一の色による全面印刷(印刷とみなされない)
・紙ラベル(容器包装ではないため)
・表示スペースがない場合
・業務用・サンプル品の容器包装

最終的に消費者の手に渡るかが、容器包装であるかの判断基準です。
表示スペースがない場合、ほかの包装材への一括表示などの措置がとられます。

紙リサイクルマークの注意点

紙リサイクルマークの注意点を2つ紹介します。

リサイクル可能保証ではない
環境に優しいことを保証するものではない

上記からリサイクルの課題が見えてくるので、解説していきます。

リサイクル可能保証ではない

紙リサイクルマークは、紙資源の再利用を保証するものではありません。
マークは素材情報であり、リサイクルの可能性について情報提供しているに過ぎません。

実際にゴミ分別の際は「紙資源ゴミ」よりも「燃やすゴミ」として出す方が多いほどです。
近年では、リサイクルマークに関係なく、メーカーやスーパーの店頭で独自の回収も行われています。

環境に優しいことを保証するものではない

紙リサイクルマークが表示されていても、環境に優しいとは限りません。
なぜなら、紙の製造には大量のエネルギーが使われるからです。
環境に優しいかどうかは、事業者が製造過程で努力をしたかで評価できるでしょう。

現時点では、エコマークや環境ラベル、フェアトレードなどの表示が環境に優しい商品の目安です。

まとめ

紙リサイクルマークは、紙製容器包装であることを識別する目的で生まれました。
そのため、紙リサイクルマークを判断基準として、考える方がほとんどです。

しかしながら、禁忌品や表示に関係なくリサイクルできるケースも少なくありません。
自治体によってルールのバラつきもあるのが現状です。

そんな中ですが、紙リサイクルマークを正しく理解して、環境に優しい生活を送りましょう。
この記事がお役に立てたら嬉しいです。

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