COLUMNコピー用紙の裏と表で印刷に違いが出る? 裏表がある理由と見分ける方法
コピー機やプリンターに用紙をセットする時に、
「どちらが表面かな?」
と気になったことはありませんか?
普段は裏表を気にせず使っている方が多いかもしれませんが、実はコピー用紙にも裏表はあるのです。
本記事では、コピー用紙に裏表がある理由や、品質の違いについて解説します。
最近のコピー用紙は裏表がないって本当?
最近のコピー用紙は両面印刷対応のものがほとんどで、昔のコピー用紙のように裏表がないと言われています。
確かに両面とも滑らかでツルツルしており、見た目はもちろん、触っても大きな違いを感じることは難しいでしょう。
実際に、コピー用紙をコピー機やプリンターに入れる時に、用紙の裏表を気にすることは少なくなっているのではないでしょうか。
それでは、「最近のコピー用紙には裏表がない」というのは本当に正しいのでしょうか?
厳密には最近のコピー用紙にも裏表はある
コピー機が一般的なオフィスでも使われるようになったのは、1970年代以降のこと。
以降の50年間で製紙技術は大きく進歩し、製紙メーカーもコピー用紙の表裏の差をなくすように努力し続けています。
そのおかげで、現在市販されているコピー用紙では、表面と裏面の品質差はほぼなくなっています。
しかし、品質が変わらずほとんど見分けがつかなくても、画用紙や折り紙に裏表があるように、コピー用紙にも一応裏面と表面はあります。
かつてのコピー用紙に明確な裏表があった理由
現在のコピー用紙には表面と裏面の品質はほぼないと書きましたが、かつてのコピー用紙には裏と表で明確な差がありました。
コピー用紙の裏表で大きな違いがあった理由は、抄紙マシンを使った紙の製造工程にありました。
コピー用紙は紙の原料を水に分散して希釈させ、ワイヤーと呼ばれる網に載せて脱水して作られます。
かつて広く使われていた抄紙マシンはワイヤーが一面のみしかないシングルワイヤーマシンでした。
脱水時にはワイヤーに接している面から微細繊維や填料が抜けやすく、網の跡であるワイヤーマークが残ります。
一方、ワイヤーに接していない面は凸凹が少なく、滑らかに仕上がります。
ワイヤーに接していて凸凹が多い方が裏、反対の滑らかな方が表と、裏と表の差ができていたのです。
現在の抄紙マシンはツインワイヤーのマシンが主流
現在、コピー用紙の製造で使われている抄紙マシンの多くは、ワイヤーが2面あるツインワイヤー式です。
ツインワイヤー式のマシンでは、紙を2枚のワイヤーで挟んで両面から脱水して紙を形成するため、裏表の品質の差はほぼありません。
ツインワイヤー式の抄紙マシンの使用以外にも、ワイヤーやフェルトなどの用具の改善や、表面処理技術の進歩によって、両面とも品質が高く裏表の区別がつかないコピー用紙が増えてきているのです。
コピー用紙の裏表をチェックする方法はある?
現在市販されているコピー用紙では、上記で説明した製紙技術の発展により、見た目や感触から裏表を判断するのは難しくなっています。
それでも、裏表を調べたいという方のために、裏表を見分ける方法をいくつか紹介します。
触って判断する
現在市販されているコピー用紙の中にも、紙の裏面と表面を注意深く触ってみると、ほんのわずかながらザラツキ感の違いが感じられることがあります。
指で触ってみてツルツルと滑らかな感触がある方が表面、ザラザラとしているのが裏面です。
カールを見る
製紙の最終工程で紙をコピー用紙のサイズにカットする際に、紙の表面から刃をあててカットします。
そのため、紙の端は表面側が丸く、裏面はやや反り返っています。
コピー用紙を一枚ずつ見ても分かりにくいですが、束にすると見分けられることがあります。
包装紙の糊付け面から判断する
コピー用紙を購入する時は包装紙に梱包されていますが、包装紙の糊付け面で用紙の裏表が確認できます。
100%ではないですが、大抵は糊付けされている面がコピー用紙の表になって梱包されています。
コピー用紙は中央の糊付け部分を剥して取り出すことが多いですが、取り出した時の上側が表と覚えておくと良いでしょう。
まとめ
コピー用紙の裏面と表面で明確な違いがあったのはひと昔前のことで、最近は裏表による品質の差はほぼありません。
実際に、現在市販されているコピー用紙の多くは、表面でも裏面でも同じクオリティで印刷できるため、日常的に使用する分には表と裏を気にする必要はないと言えるでしょう。